老後に必要となるお金はいくらか

男性40代 jonnjonnさん 40代/男性 解決済み

少し前にニュースで老後は1人2000万円が必要になると話題になりました。
その時に多くの方は不安になったと思います。
多くの方はそこまでの貯金がないと思いますが、実際問題として、いくら貯金がないと生活が破綻してしまう可能性があるのかが予測がつきづらいです。
自分+奥さんの年金は合わせていくら貰える予定なのか、現在全く分かっていないのですが大体いくらぐらいになるのでしょうか?
また入院や、施設に入らないとやっていけなくなる世帯の割合はどの程度あり、そういったときの為にどの程度貯蓄をしていないと自分の子供に迷惑をかけてしまう可能性があるのでしょうか?
またその時にお金を残しておく為に、有効な貯蓄の方法(定期貯金以外の)はありますか?

1 名の専門家が回答しています

水上 克朗 ミズカミ カツロウ
分野 老後のお金全般
60代後半    男性

東京都

2021/03/09

(質問1)<自分+奥さんの年金は合わせていくら貰える予定なのか、現在全く分かっていないのですが大体いくらぐらいになるのでしょうか?>ということですが、
厚生労働省のデータ(平成30年度)によりますと、厚生年金の平均年金月額(国民年金を含む)は、男性16万4000円、女性10万3000円です。また、専業主婦、自営業者などの国民年金の平均年金月額は、5万6000円で、男性が5万9000円、女性は5万3000円です。
したがいまして、あくまでも平均値での計算上ですが、
共働きの場合:16万4000円+10万3000円=26万7000円(月額)
専業主婦の場合:16万4000円+5万3000円=21万7000円(月額)
となります。
(質問2)<また入院や、施設に入らないとやっていけなくなる世帯の割合はどの程度あり、そういったときの為にどの程度貯蓄をしていないと自分の子供に迷惑をかけてしまう可能性があるので<しょうか?>ということですが、
<まず、施設に入らないとやっていけなくなる世帯の割合はどの程度あるか>ですが、
データはありません。なお、施設介護か在宅介護かの割合でしたら、介護レベルにより違いはかなりありますが、平均、施設介護24%、在宅介護76%となっています。
<また、どの程度の金額がかかるかと>とのことですが、
〇生命保険文化センターの介護経験者を対象に調査したデータによりますと、1人当たりの介護費用は約500万円です。なお、この金額は、在宅や施設の介護を含めた金額です。

その内訳は、
月7.8万円(公的介護保険を利用した自己負担額)
×
約4年7ヵ月(平均介護期間)

69万円(一時的な費用、バリアフリーに対応した住宅改修、介護ベットの購入など)
=合計約494万円です。

ただし、介護期間4年7ヵ月はあくまで目安です。この調査では、介護期間が、1年未満13.8%、10年以上14.5%とバラツキがあります。いつまで続くかわからないのが介護ですが、少なくとも平均とされる1人500万円ぐらいは準備をしておくべきだと思います。

また、介護に次いで高齢者になってからかかる大きなお金が医療費です。厚労省が発表したデータによりますと、65~89歳までの医療費の自己負担額の平均は、合計で約187万円となっています。
前述の介護費用平均500万円にこの約200万円を合計して、1人700万円を準備しておいた方が良いでしょう。

〇なお、老人ホーム別の費用の目安(1人当たり)については、次の通りとなりますが、地域によっても、施設によっても、介護レベルによってもかなり違いがでてきますので、あくまで参考にしていただければと思います。

・特別養護老人ホーム
介護レベル 中度~重度
入居一時金 0円(なし)
月額費用目安 約9万~13万円程度

・介護付き有料老人ホーム
介護レベル 自立~重度
入居一時金 0円~数千万円
月額費用目安 約16万~29万円程度

・サービス付き高齢者向け住宅
介護レベル 自立~中程度
入居一時金 敷金程度
月額費用 約12万~20万円程度

ちなみに、介護付き有料老人ホーム入居にした場合、あくまでも平均値ですが(老人ホーム検索サイト「みんなの介護」を基に作成)、かかる費用は、

平均345万円(入居一時金)

1221万円(平均月額22万4000円×54.5ヵ月(介護期間平均年数))
+α<追加費用(病院へ通う送迎費用、おむつなどの介護用品など)>

約1566万円+αが必要となります。

なお、特養は、入居一時金は、いりませんが、数は少なく、入居待ちの期間が長い(数百人待ちなど、必要度合いの高い人が優先)のが実情です。また、入所には原則として要介護3以上(=立ち上がることや歩くことなど、身の回りのこがほとんどできない状態)の人しか入れません。

(質問3)<またその時にお金を残しておく為に、有効な貯蓄の方法(定期貯金以外の)はありますか?>ということですが、
おすすめするのは、①NISAやつみたてNISA②iDeCoです。これらの公的な仕組みをなるべく早いうちから活用し自助努力で長生きリスクに備えることが必要となるでしょう。
まずは、NISAやiDeCoで税制優遇をフル活用しましょう。
通常、投資による運用益を受け取った場合、約20%の税金がかかります。ところが、税制優遇制度を利用すると税金がかかりません。その税制優遇制度には、①NISAやつみたてNISA②iDeCoがあり、一定の投資額に対しての運用益が非課税になります。
たとえば、投資信託で10万円の利益が出たとします。この利益には、約20%の税金がかかるため、約2万円が差し引かれ利益の手取りは約8万円です。
この税制優遇制度を利用すると、2万円の税金が非課税となり、10万円が手元に残り「手取り」が増えますので、おトクな制度です。
ただし、NISAとつみたてNISAは、いずれか一方しか利用できません。
また、NISAとつみたてNISAでは、年間の投資上限額、非課税の期間、対象となる運用商品、手数料などで違いがありますので注意しましょう。なお、投資初心者は、金融庁がつくってくれた「投資の収益をアップさせる仕組み」を持つ、つみたてNISAがおすすめです。
一方、②iDeCoは、公的年金や企業年金の不足分を補う「じぶん年金」と呼ばれる制度です。
①NISAやつみたてNISA同様に、運用益が非課税になるうえに、掛け金が所得控除されるメリットがあります。
たとえば、所得税(20%)と住民税(10%)の合計が30%の人が月2万円を運用すれば、ノーリスクで、年間7万2000円分の節税効果があります。これを20年間続けるだけで、144万円の節税効果になります。この節税効果だけでも大きなメリットといえます。
また、iDeCoは、60歳になるまで資金を引き出せないものの、老後資金のための長期的な積み立て投資と考えれば、引き出せないのは、デメリットではないと考えることもできます。なお、毎月の積立額の上限は、会社員なら勤め先の企業年金などで異なるため確認が必要です。
まずは、ネット上から、ネット証券会社(SBI証券、楽天証券など)に専用口座を開きましょう。そして、少額から投資(毎月100円から、毎月1000円からなど、iDeCoは5000円以上)をしてみたらいかがでしょうか。はじめは、「長期、分散、積立て」の原則にしたがって運用しましょう。実践することで、自然と、投資能力が磨かれます。習うより慣れろです。慣れてきたら、徐々に、金額をアップしていけば良いでしょう。また、マイナスになることも、プラスなることもありうることを理解し、自分にあった運用商品を見つけることが肝要です。ちなみに、30年間、3%の運用で、毎月17,160円積み立てをすれば、運用だけで1000万円を貯めることができます。

専門家にお金の悩みを相談できます

・ 月300円(税別)

・ 毎月3回まで質問が可能

・ 最短5分で回答可能

・ 100名超の認定専門家が回答

・ 回答率99%

関連する質問

夫婦2人とも無職で年金生活。今後の過ごし方は?

自分は40歳、既婚で子供はいません。無職で病気の為現在障害年金を受給しており、家族所有の持ち家で生活をしております。また3歳下の妻も病気により働けず、障害年金を受給しております。自分は厚生年金、妻は国民年金、障害等級はともに2級です。収入源は年金頼りで、障害年金は有期です。来月5月に更新を迎える為、現在手続き中です。悩みの種はこの年金が有期という点で、もし更新時に打ち切られた場合、貯蓄を切り崩して生活をすることになる点です。幸いにも病気になる以前は沢山働き、若いうちから投資信託をコツコツと購入し資産を殖やしていたため、準富裕層にまで稼ぐことはできました。ただ、夫婦そろって病気で今後は両親も養っていかなくてはいけないとなると、不安が押し寄せます。現在資産の8割は投資信託に当てており、ノーセールで運用を続けていますが、仮に年金を打ち切られた場合、家計を見る限りプライマリーバランスはとれない計算です。FP様にお聞きしたいことはバッドケースとして年金が打ち切られた場合、(1)生活を維持する為の案や行政の救済制度はないでしょうか。(2)今後考えられるロードマップを示していただけないでしょうか。老齢年金受給まで逃げ切りというのは表現が悪いですが、働き盛りの歳で夫婦ともに働けないという現状でなんとか不安を解消したいという思いで質問をさせて頂きました。どうかよろしくお願いいたします。

男性40代前半 ㈲latteさん 40代前半/男性 解決済み
植田 英三郎 1名が回答

住宅ローン返済後の老後資金について。住むのにもお金がかかりつづけます。

現在、35歳(民間企業勤務)、夫は37歳(公務員)で新築分譲マンションを購入して住んでいます。管理費は月に30000円ほどで、月当たり120000円返済をしています。夫婦共通の貯金は300万円ほどです。子供は現在3歳が1人で、もう1人作る予定があります。今後、老後のことを考えると、月にいくら貯金をすればよいのでしょうか?管理費がずっとかかっていくので、検討がつきません。年金はいくらくらいもらえる予定なのかについても全然知りません。毎月の貯金の目安の金額を知りたいです。

女性30代後半 味パンダさん 30代後半/女性 解決済み
古戸 賢一 1名が回答

40代夫婦2人。これからどうすれば定年後お金に困らない?

以前に老後の資金は年金の他に、2000万円は見ておかないといけないという話がありましたが、これは生活をするのに必要な額で、実際は病気になったりするので、5000万円くらいは用意しておく必要があると知り合いから言われました。我が家は夫側も私側も長寿で祖父母はどちらもそろそろ100歳という頃に亡くなりました。今、私たちは40代です。海外にいた期間が長く、二人の年金だけでは生活費しか出ないことが分かっています。これからどのような備えをしておけば、定年後、お金に困ることはないのでしょうか。良い保険や投資の方法があれば教えてください。

女性40代後半 noa0088さん 40代後半/女性 解決済み
山本 昌義 1名が回答

老後の金銭問題について。

現在大学3年生です。うまくいけば2022年に大学を卒業し、そのまま就職して新卒社員として一般企業で働き始めようと考えています。最近よくニュースなどで、老後のお金問題についてよく耳にしているために、今現在学生ではありますが、もうすでに老後の金銭全般の問題について不安を抱えています。子育てのために育児休暇を取ったりすることなどを除いて、新卒から働き始めてから定年までしっかり働き続けていこうと思っています。このような場合でも、老後にお金で困ってしまったり、定年退職後も何か仕事を見つけて職に就かなければいけないというような状況が待っていることはあるのでしょうか。私はできるだけ定年退職したら、正規雇用で働いたりせずに、これまでの蓄えと年金で生きていきたいと考えているので、何か問題点などアドバイスが欲しいです。

女性20代前半 ieooeiさん 20代前半/女性 解決済み
植田 英三郎 1名が回答

老後のための投資のウエイト

なんだかんだで投資をしておいて老後に備えたいと思っているのですが思い浮かべることができる投資先というのが株式投資ぐらいしかないのですが、他になにかお勧めできる投資の方法はあるでしょうか。絶対に儲かるのが良いとかそういうわけではなく、素人でもその構造が理解しやすいものみたいなものであると投資する側としても安心できるのでそういうタイプの投資があれば教えてください。また、一概にいえるわけではないのでしょうが、収入における投資に投入した方が良いあるいはしても大丈夫な割合というのがありましたら教えてください。無理のない範囲で投資をやりたいと思っているのですが老後に備えるためにはどのくらいのウエイトでやっていくべきでしょうか。

男性40代前半 chachamarutoyさん 40代前半/男性 解決済み
山口 雅史 1名が回答