就職先企業の社員による家族介護への理解について

家族の介護や看護による離職者数は全国に約10万人いるとも言われており、そうした背景から、仕事と介護の両立を支援する制度自体は徐々に整備されてきてはいます。
例えば、対象家族1人につき3回を上限として、通算93日まで介護休業を分割取得できたり、介護休業等を理由とする上司・同僚などによる就業環境を害する行為を防止するため、雇用管理上必要な措置が事業主に義務づけられたりしています。
それは、企業の所在地が都内か地方かにかかわらず、法律に明記されていることです。
一方で、「理解」の程度は事業所によってまちまちかもしれませんね。企業は都内だけでも100万社程度はあるでしょうから、ひとくくりにして理解の程度を論じることは困難です。
いずれにせよ大切なことは、はじめから会社の制度や理解の程度に対して一方的に期待するのではなく、制度の有無にかかわらずしっかりと配慮してもらえるように、まずはご相談者さまご自身がお仕事にがんばって取り組まれることです。
一所懸命お仕事に取り組まれる姿は、必ず周りが見てくれているはずです。普段から前向きに働いて会社に貢献し、信頼を積み重ねておけば、ご自身に何かあったときでも会社はできる限り柔軟に対応してくれるでしょう。
なお、ご相談者さまは、都内での就職なら豊富な職種と雇用規模の多さから仕事選びの幅広さ・自由さがあると思い込まれているようですが、これから数十年間働き続けていかれることを考えると、本当にそう言えるでしょうか。現時点でも、都内から地方へ少しずつ分散していく傾向があるように思います。
地方にこそ、働きたいと思える会社がたくさんあるかもしれませんよ。