暗号資産が爆上がりなので投資すべきかどうか悩んでいます

ビットコインは新型コロナ禍で一部の過剰流動性資金が流入したこともあり大きく上昇、一時はドル建て価格で1ビットコイン＝4万8000ドル台と過去最高値を更新しました。この背景には米テスラ社がビットコインを購入したことがあります。言い換えれば、一企業が購入しただけで価格が大きく上昇する流動性の極めて乏しい市場ということになります。どこかの企業が売却すれば逆に大きく下落する可能性が高いことにもなります。従って、ビットコインは投機の対象であって投資の対象ではないことになります。一方で世界の投資家がビットコインを代表とする暗号資産を投資対象とする動きは続くと思われます。ファンドなど長期保有が増えると、市場に出回るコインの量が減少する公算が高く、ふとした受給バランスで急落する可能性は高くなると考えられます。
流動性が乏しいということは、「売却したいときに売却できない」状況があり得るということです。特に暴落時にこの傾向は強くなります。そのため、予想外に大きな損失を被る可能性があります。そのリスクを許容できるか否かです。このリスクが許容できるのであれば現在の値段でもリスクは高くないという結論が導かれます。
ビットコインは資産ではありません。資産（Asset）の定義として「それを保有することで将来のキャッシュフロー収入を得られるもの」とされます。ビットコインは利子も分配金も生み出しません。また、資産とされるものは必ず現在価値が計算できます。現在価値の計算できないものに割高・割安の概念はありません。ビットコインには割高・割安の概念がないため、需給関係だけで価格が動いています。いずれにしても、売買には注意が必要なことは確かです。