先行き不安

確かに、毎年たとえ1万円ずつでも持続的に増えていれば将来への希望が持てるのに、毎年減り続けているとのことで、先行きを心配なさるのは無理もありません。不安なお気持ちであることをお察しいたします。
ただ、4年前と比べ年収が60万円ほど減っているという事実のみをもって、早く転職を考えた方がよいほどの危ない会社であるかどうかを判断することは困難です。
4年前のご年収が300万円か600万円かによっても「60万円」の重みが異なりますし、また4年前が他社と比べて賃金水準が相対的に高かったのであれば、適正化していると考えることも可能です。
いずれにせよ、ご承知の通り医療従事者の賃金の原資の大半は、保険料と税金でまかなわれています。医療が必要な高齢者の増加と、保険料と税金を主に負担する働き手の減少が今後ますます進展していきますので、少なくとも賃金が今後も大きく上がり続けていくことは期待しないほうがよいでしょう。
そのような意味で、賃金の減少が、将来にわたって盤石の財務状況を持続させるために必要なことだと経営者が判断しての結果であれば、必ずしもネガティブに捉えなくてもよいのかもしれません。周囲に羨ましがられていらっしゃるように、おそらくなくならない仕事であるとは思いますので、どこかで下げ止まるはずだとも考えられます。
結局、収入だけを見ていても、答えは出ません。
それよりも、明らかに患者さんが減っていたり、職員の活気がなくなっていたり、建物や器具類が老朽化して何らかの対処が必要なのに放置されていたり・・・、組織の先行きの不透明さはどこかに兆候が表れるものです。
そのような部分にも目を凝らしながら、総合的にご判断ください。