将来年金は貰えるのか

国の年金（公的年金）への不安を煽る金融機関や不動産業者の営業トーク、週刊誌などの記事、テレビ番組でのコメンテーターの発言、等々は今も昔も存在します。
私も若い頃は、漠然と「そういうものなのかな」と思っていました。
その後、偶然、年金関連の仕事に就き、年金制度を深く知るにつれて私の年金不安（不信）は完全に払拭され、今では正しい知識をご縁のある方々にお伝えする立場に転じています。

「将来年金は貰えるのか」とのご質問です。

将来、年金は受け取れます。
額は毎年少しずつ変動しますが、大幅に減ったり、ゼロになったりする可能性は、ほぼありません。

次に、「効率よくかつ低リスクで素人でも貯蓄しやすい方法が無いのか」についてです。

ご存じのとおり、預金など「貯蓄」（安全資産）のリスクはほぼゼロですが、受け取るリターンもほぼゼロです。
他方、各種の「投資」（リスク資産）は、リスクが高い商品であれば期待リターンも高くなり、リスクが低い商品であれば期待リターンも低くなります。
理論上、「ローリスク・ハイリターン」はありえません。
「ローリスク・ハイリターン」を謳う詐欺や悪質商法には十分注意してください。

また、いくつか誤解があるようですので、それらについてもコメントします。

「現在でさえ受給出来る年齢がどんどん上がっている」
そもそも公的年金の受け取り開始時期は、65歳を基準として、60歳から70歳までの範囲で本人が選択するものです。
受け取り開始を早めると年金額は減少し、遅らせると年金額は増加します。
2022年4月から、受け取り開始の上限年齢が「70歳」から「75歳」に拡大される予定ですが、あくまでも本人の意思で決めます。
受け取り開始時期を一律に引き上げるなどの乱暴な議論は行われていません。

「自分達が老いた時には年金の制度自体が破綻していて、一切貰えないのではないか」
これもほぼありえません。他国から侵攻され支配・占領される、などと同じような確率です。

「老後の資金は1人あたり2000万円は必要」
今どきの60代夫婦は、金融資産を平均2000万円保有しています。
「2000万円必要」なのではなく、「2000万円あるから、取り崩して使っている」というのが「平均的な姿」です。