老齢基礎年金は繰下げ受給すべき?

男性60代 shoesakaさん 60代/男性 解決済み

現在、64歳で引退して、特別厚生年金と企業年金を受給しております。65歳から全額支給されることになります。65歳以降について、幾ばくかの貯蓄があるので、そちらを取り崩して、老齢年金を繰り下げして将来の受給額を増やすべきかどうかを悩んでおります。配偶者は62歳で専業主婦で、繰り下げしなければ、加給年金が配偶者が65歳になるまで、年額30万程度支給されます。夫婦ともども老齢基礎年は満額ではありませんが、ほぼそれに近い金額です。企業年金は75歳まで支給されます。がん保険は診断時100万円、通院5000円、医療保険は入院10000円(180日)、生命保険は死亡時300万円、介護保険は介護診断時150万円に加入しています。加給年金を受給するために老齢基礎年金だけを繰り下げすべきかかも悩んでおります。よろしくお願いいたします

2 名の専門家が回答しています

水上 克朗 ミズカミ カツロウ
分野 その他資産運用
60代後半    男性

東京都

2021/05/09

もう一度、年金についておさらいしてみましょう。
年金を最大70歳まで繰り下げると、65歳からの年金支給額の42%増となります。損益分岐点は81歳10ヵ月なので、繰り下げ受給は82歳まで長生きすればお得になります。65歳からの平均余命(平均寿命とは異なります)は男性約20年、女性約24年ですので、65歳まで生きれば、男性85は歳、女性は89歳まで生きる可能性が高いわけです。よって、一般的には、お得な受け取り方は、繰り下げ受給となります。

また、基礎年金と厚生年金の両方を繰り下げることも可能です。たとえば、65歳から受け取れる厚生年金と基礎年金の合計額が200万円だとします。70歳からの年金額は42%増で、年284万円となります。増額分は、年額84万円です。

ただし、おっしゃる通り、繰り下げ受給しますと、「加給年金」が繰り下げ期間中は受け取れません。ちなみに、奥様が2歳年下で、加給年金額が年額30万円ならば、60万円(=年額30万円×2年)受け取れなくなります。

<65歳以降について、幾ばくかの貯蓄があるので、そちらを取り崩して、老齢年金を繰り下げして将来の受給額を増やすべきかどうかを悩んでおります>ということですので、
結論として、『基礎年金だけを繰り下げて厚生年金を繰り下げない』ことをおすすめします。
これであれば、厚生年金に紐づけられている加給年金をもらいながら、70歳から42%増もの年金を手に入れることができます。

ただし、基礎年金だけですので、65歳から受け取れる基礎年金額が78万円だとしますと、70歳からの年金額は42%増で、年約111万円となります。増額分は年約33万円です。なお、ご主人様の基礎年金を繰り下げる代わりに、一般的に長生きとされる奥様の基礎年金を検討するのも良いでしょう(ただし、65歳から生年月日によってもらえる振替加算、たとえば、昭和34年4月2日~昭和35年4月1日生まれの場合は、年額約2,7万円はもらえません)。その他、デメリットとして「手取りベースで見ると、額面ほど増えない」などありますので留意しましょう。

なお、「繰り下げ手続き」についてですが、65歳の誕生日が近づくと返信用の「年金の請求書」が自宅に届きます。繰り下げ受給をする場合は、年金請求書を返送しないで、そのまま放っておくことになります。なお、繰り下げ受給を受けたいタイミングで「年金請求書」に必要な事項を記入し、書類を提出することになります。最大70歳まで待って請求すれば良いのです。

もし、途中でお金が必要になれば、その時点で申請すれば受給できます。65歳からの分も請求によって受け取れます。ただ、年金の時効は5年ですから、うっかり70歳を超えてしまうと、失効した分はもらえなくなるので注意が必要です。

とりあえず、65歳から繰り下げ受給をして、様子をみて、途中で必要があれば、さかのぼって受給するのも良いでしょう。

佐藤 元宣 サトウ  モトノブ
分野 その他資産運用
40代前半    男性

全国

2021/05/09

ご質問の件について、質問全体を確認し回答者としては「奥様が振替加算の対象になるのであれば、質問者様は老齢基礎年金を65歳から受けるべき」だと考えます。

このように考える1つ目の理由として、加給年金額と老齢基礎年金の差額にあります。

質問では、加給年金額は「年間で30万円程度」、「老齢基礎年金は満額ではありませんが、ほぼそれに近い金額」とあることから、加給年金額よりも老齢基礎年金の方が多く、老齢基礎年金を繰り下げせずに受け取った方が、キャッシュは増加すると考えられます。

2つ目の理由として、奥様が振替加算の対象となっている場合、奥様が3年後に65歳になって老齢基礎年金を受けるようになりますと、これに加えて振替加算も上乗せされます。

これにより、質問者様世帯における収入は結果として増加することになり、繰り下げしたことによる年金額が増加した効果よりも、長い目で見た時のキャッシュフローは、65歳から老齢基礎年金を受けた方が得策になるものと推測できます。

「奥様が振替加算の対象になるのかどうかが極めて大きなポイント」になるため、まずは、この部分を年金事務所またはご自身で調べてご確認いただき、仮に、奥様が振替加算の対象となるのであれば、質問者様は65歳から老齢基礎年金を受けるのが世帯収入増加の面から望ましいと考えます。

なお、奥様が振替加算の対象とならない場合、いま一度、精査・確認が必要と考えられるため、質問者様が65歳に達する前に、早急な確認と対策が必要になるものと思います。
最後に、以下、日本年金機構が公開している振替加算のページをご案内しますので、一度、内容をご確認いただき、不明な場合は、年金事務所へお聞きになるのもよいでしょう。

参考:日本年金機構 加給年金額と振替加算
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

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